リニューアルや新規立ち上げなど、ウェブサイト制作を進める上でスケジュールはプロジェクトの種別を問わずウェブサイト制作における「悩みのタネ」になっているケースも多いのではないでしょうか。
「スケジュールが常にズレてしまい、調整ばかりしている…」「進み具合が良いのか悪いのか、いまいち把握できない…」など、スケジュールにはさまざまな問題や悩みがあります。
わたしたちも過去、スケジュールがトラブルの原因になったケースがあり、そのたびにスケジュールを改善したり新しい方法を試すなど、試行錯誤を繰り返してきました。
いまではスケジュールが大きな問題になるケースはほぼありませんが、それでも常にスケジュールはウェブサイトを制作する上で重要です。この記事では、ウェブサイト制作会社としてわたしたちがスケジュールで意識しているポイントをご紹介します。
わたしたちはプロジェクト開始時点では公開日を明確に定めず、そのかわり5営業日ぐらいの公開期間と、具体的な公開日を決めるための公開承認期間を設けています。
あえて公開日を最初から明確に定めない理由として、公開日を明確に定めてしまうとお客様の組織内ではその「日」がひとり歩きして「必達」のような扱いになってしまいます。
必達の状態になると、公開日は簡単に動かせないものになり、制作プロセスは「公開日に間に合うか」という観点が強くなります。結果、目的を達成するための本質的なウェブサイト制作からは程遠いものとなってしまいます。
ウェブサイト制作は戦略策定の議論からデザインコンセプトの検討、原稿などコンテンツの確認など、期間が変動する可能性の高いタスクが数多く存在します。
そのような状況のなか、公開日を特別な理由もなく明確に決めてしまうのは非常にリスクが高いため、あえてプロジェクト開始段階では公開「日」までは定めないようにしています。
※ このケースは一部例外があります。決算スケジュールや事業計画など、ウェブサイトの公開日があらかじめ明確に設定されるケースです。この場合は、公開日を前提条件としたプロジェクト計画を立てています。
制作プロセスは多くのタスクに分かれ、そのなかには原稿作成とデザインなど、依存関係を持つタスクが数多く存在します。制作だけを見ても、大まかには「デザインの制作・提示」や「お客様確認・チェックバック」という流れで業務が進みますが、これも詳細化すると以下のようになります。
スケジュール段階でよくある問題として、「原稿や素材が期日までに届いたけど、フォーマットが整っていなかった」「再確認まで想定したスケジュールを組んでいなかった」「役員など、重要な影響者の確認期間を大まかに見積もっていた」などが考えられます。
いずれも、ある程度事前に予測したり決めておける内容なので、必要になりそうな期間や意思決定までの流れ、最終的な意思決定者をあらかじめ明確にしておくことが重要です。わたしたちは、これらの内容をプロジェクト開始時点のヒアリングでお客様と認識合わせしています。
制作プロセスが必ずスケジュール通りに進むかプロジェクト開始時点から見通すことは難しいですが、制作で起こりやすいスケジュール上の潜在的リスクは、以下のようにある程度予測できます。
各リスクの影響範囲や深刻度は実際に業務を進めなければ予測することが難しいため、リスクが顕在化した場合、スケジュール上どのように対策するかプロジェクト内で定めておきます。
プロジェクトはあらかじめ一定の期間を想定して計画しているため、リスクが発生するたびにスケジュールを延ばすという方針は現実的ではありません。そのため、わたしたちは以下のようなリスク回避策を事前に立てておきます。
ウェブサイト制作におけるスケジュールは、不動のものとして扱うのではなく、状況に応じて柔軟に素早く調整しながら管理することが現実的です。柔軟に管理するためには以下のようなポイントを押さえる必要があります。
関係者が気になればいつでも確認できるようにスケジュールを共有しておきます。わたしたちはExcelやGoogleスプレッドシート、asanaなどのタスク管理ツールを利用して社内外のメンバーがスケジュールをいつでも確認できる環境を用意しています。
プロジェクトの規模によりますが、毎週や隔週、もしくは「月に2回」などに進捗状況の把握を目的とした打ち合わせをメンバー間でおこないます。
進捗確認のみなので早ければ10分程度で終わる程度の打ち合わせですが、「常に進捗状況の把握をメンバー間でおこなう」という行為がプロジェクトに組み込まれることでスケジュールの意識は非常に高まります。
定期ミーティングで今後の進行を妨げそうな問題への対策方針も議論することで、問題を素早く察知し、未然に防ぐことができます。
どうしても不確実性の高いタスクは曖昧な日程設定になりがちです。曖昧な設定にすると期日を遵守する必要性が薄まるため、使い勝手が良いのですが、その反面、スケジュールに対する認識のズレや期日に対する意識の低下を招きます。
わたしたちは「〜頃」や「週前半」「上旬・下旬」といった曖昧な設定をできる限り排除し、スケジュール設計するよう、心がけています。
スケジュールの設計や管理は特別な知識や技術は不要で、基本的にはシンプルなものです。それが複雑な問題になってしまう理由は、ご紹介したようなポイントが十分抑えられておらず、その結果、場当たり的な対応を余儀なくされることで複雑化してしまうからではないでしょうか。
スケジュールは重要ですが、本来、スケジュールはあくまで事業成長に貢献するためのウェブサイトを制作するための手段のため、ウェブサイト制作会社としては、事前にしっかり対策を立て、制作プロセスにおいては本質的な議論に集中できる状態を作り出しておくべきだと考えています。
24inc(トゥエンティーフォー)では定まったものを納期までにカタチにする「制作代行型」ではなく、マーケティング思考を積極的に取り入れ、見込み客や新規接点の獲得など、事業成長のためのウェブサイトを戦略策定から制作・運用までトータルに対応しています。
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