Webマーケティングにおいてサイトで提供するコンテンツは重要な要素です。コンテンツはブログ記事や製品やサービスの特徴や事例を伝えるページ、ダウンロードで提供するPDFなど、その性質やフォーマットはさまざまです。
コンテンツはただ作ってサイトに置いておけば良いということは当然なく、Webマーケティングをおこなっていく以上、コンテンツには直接的であれ間接的であれ「成果」が求められます。そのため、すべてのコンテンツは常に成果に対して何かしらの目的/役割を持つことになります。
そこで制作を進める際に重要となる工程が「コンテンツ設計」です。「コンテンツ設計」と言っても、そもそも自社のWebマーケティングにおいてどんなコンテンツが必要なのか?という全体視点の設計もあれば、Webページごとに掲載する中身の構成や切り口を考えていくための設計もあるため、ひとことで設計といってもその範囲は広いです。
冒頭でお伝えしたように、コンテンツにはさまざまなフォーマットが存在します。そのため、コンテンツによって制作する期間や必要なメンバーも異なります。リソースは有限ですので、コンテンツ制作は目標に対してもっとも有効なものから効率的に進めることが望ましいため、はじめに全体的な視点で「どんなコンテンツが必要なのか?」について設計を進めて、自社として作るべきコンテンツの優先度を決めておくことが望ましでしょう。
この記事では、この最初のステップである全体的な視点でコンテンツ設計を進めていくにあたって意識すべきポイントについてご説明します。
Webサイトをマーケティングという視点で活用しようと考える場合、多くのご担当者さまは以下のような目的を持って進めているのではないでしょうか。
このような目的はあくまでWebマーケティング全体を見渡した目的なので、そのままコンテンツの内容に落とし込むには抽象度が高く、ここからどのように設計すれば良いか分からなくなってしまいますよね。
そのため、コンテンツ設計にあたってはWebマーケティング全体の目的から以下のようなコンテンツ単位の目的に落とし込んでいく必要があります。
(コンテンツ単位の目的)
ここまで落とし込むと、コンテンツを設計していくイメージを持ちやすくなるのではないでしょうか。
もちろん、すべてのコンテンツに目的がそのまま当てはまる訳ではありません。扱うテーマによって目的が重複することもありますが、コンテンツを設計していくにあたっての目的としては明確になるはずです。目的をあらかじめ明確にしておくことで、その後の制作における原稿の校閲や掲載するイメージのトーンなども効率的に決めることが出来ます。
コンテンツの目的はわかったものの、考えられる目的のコンテンツを思いつくまま制作することは物理的にもリソース的にも恐らく不可能です。そのため、どの目的のコンテンツから設計を進めていくべきかの優先度を決めていく必要があり、この優先度は自社のWebマーケティングの状況から優先付けをおこないます。
たとえば「問い合わせ数を増やしたい」ことが自社におけるWebマーケティングの最優先課題だとして、最初に設計しようとするコンテンツの目的が「業界の動向や、法改正などの周辺知識を提供するためのコンテンツ」では、コンテンツ自体を制作することは意味がないとは言い切れませんが、「問い合わせ」という課題に対する効果のインパクトは決して大きいとは言い切れないでしょう。
なぜなら「業界の動向や、法改正などの周辺知識を提供するためのコンテンツ」に対して情報ニーズを持っている読み手は必ずしも製品やサービスを検討している(つまりお問い合わせという行動に近い)状態とは言い切れないため、たとえサイトに来てもらったとしても、読み手は具体的な製品やサービスの検討は進めておらず、社内で情報収集をしている状態かもしれません。
この場合は「お問い合わせ」をおこなう状態に近いと思われる読み手に対して効果のある「検討や行動を後押しするためのコンテンツ」から設計を進めるほうが見込める効果のインパクトとしては大きいと考えられます。
また、「検討や行動を後押しするためのコンテンツ」にも「製品の特徴」「製品の仕様」「価格」「導入事例」など、Webサイトでは複数の該当するページが存在するのではないでしょうか。こういった場合はGoogleAnalyticsなどの解析ツールを使い、問い合わせをしたユーザーに絞ってどういうページを閲覧していたのか?などを確認するなどで優先度を決めていくことになります。
もちろん、既に「検討や行動を後押しするためのコンテンツ」は検証や改善をおこなっているということであれば、そのコンテンツのページに誘導することになる「読み手の企業が抱えている問題を軸に課題意識を持ってもらうためのコンテンツ」を検討していくケースもあると思われます。
優先度を決める土台はあくまで「自社のWebマーケティングが置かれている状況」次第ですので、この状況をしっかり把握・検討し、社内で共有した上で設計するコンテンツを決めていきます。
優先度を決める土台は「自社のWebマーケティングが置かれている状況」ですが、意外にもこの状況が明確になっていないケース、というのは少なくありません。
「状況」を知るためには自社のWebマーケティングの計画と、その計画に対する課題が必要になります。そもそもWebマーケティングの計画自体が曖昧だったり具体的ではない場合、「目的/役割」や「優先度」も同じように曖昧になったり、判断に迷うことになります。
例えば製品やサービスによっては「問い合わせ」が必ずしも見込み客として接点を持つために発生する行動であるとは言い切れません。「関連資料の請求」や「デモ依頼」「オンラインセミナー参加」から接点を持つ可能性は十分あります。
また、コンテンツの中身も読み手の市場や製品カテゴリにおける知識の高さや、読み手が製品やサービス提供会社に持っている印象などによって文章のトーンや構成もさまざまです。
「この製品の場合、検討のどの段階で問い合わせをおこないそうか?」「この読み手は製品に関する基礎知識はどの程度あるのか?専門用語を使っても問題ないか?」といった読み手が置かれている検討プロセスにおける状態や、読み手の人物像を定めるためにも「バイヤージャーニー」や「ペルソナ」といったWebマーケティングの計画に関する部分を関係者間で固めておく必要があります。
すでに「バイヤージャーニー」や「ペルソナ」を設計していれば問題ありませんが、コンテンツの設計を進める前に「目的/役割」「優先度」を決める場合も、具体的なコンテンツの中身の議論をおこなう場合にも「バイヤージャーニー」や「ペルソナ」は重要です。
コンテンツの設計や制作は、リソースが潤沢であれば良いのですが現実的には限られたリソースでおこなうケースが大半です。
だからこそ、コンテンツは設計が重要になりますし、、設計の土台となるWebマーケティングの計画をしっかり固めておくことで「作ってみたけど、良いか悪いか分からない」「分からないけど、色々作ってみたが、結果が見えない」といった状況をできるだけ回避することができます。
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