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低すぎる直帰率は大丈夫?Webサイトの直帰率について気を付けておきたいこと

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低すぎる直帰率は大丈夫?Webサイトの直帰率について気を付けておきたいこと

はじめに

Webサイトを運営していると GoogleAnalytics などの解析ツールや提案書・仕様書などで「直帰率」という言葉はよく見かけるのではないでしょうか?

解析ツールが普及する前は「直帰率」という言葉はそこまで多用されていませんでしたが、今ではWebサイト構築やリニューアルのご相談の際に見せていただく資料でも「直帰率」という言葉が出るほどになっています。

しかし、この「直帰率」に対する認識や理解はさまざまですし、「直帰率はどのぐらいの値が目安なのか?」といった数値の基準を聞かれるケースも多く、24.incでも時間を設けてご説明するケースがあります。

この記事では、「直帰率」について理解しておいていただくとWebサイト運営業務に役立つ点についてご説明をしますので、参考にしていただけると幸いです。

直帰率の算出方法は?

直帰率の算出方法の前に、そもそも「直帰」とはどういう状態を指すのでしょう?Googleが提供する解析ツール「GoogleAnalytics」では「直帰」を以下のように定義しています。

直帰とは、サイト内の 1 ページしか閲覧されなかったセッションのことです。

「セッション」とはWebサイトの「訪問」を指します。そして「直帰」の定義は「Webサイトへ来訪して1ページしか閲覧しなかった訪問」の状態を指します。そして、この「1ページしか閲覧しなかった訪問」を「すべての訪問数」で割った値が「直帰率」となります。

直帰率=1ページしか閲覧しなかった訪問数 ÷ すべての訪問数

直帰率は低いほうが良い?

これはとてもよく聞かれる質問なのですが「そのページの性質によります」とお答えしています。もちろん直帰=「Webサイトへ来訪して1ページしか閲覧しなかった訪問」ですのでサイトをご担当する方からすると1ページしか見てもらえなかった、というのはなかなか好意的に受け止めれないですよね。

ただし、直帰率はページの性質によってその直帰率を高いとするか、低いとするかの判断も異なります。この点については実際の事例を元にご説明します。

BtoB企業のトップページの直帰率は30%〜40%台で大きく変動しないケースが多い

24.incはBtoB企業のWebサイト構築・運営をご支援するケースが多く、その際、Webサイトの効果指標であるKPIに直帰率が設定されているケースがあります。そして、その直帰率を設定されている対象のページとしてトップページが多くを占めます。

しかしながら、このトップページでご相談時に問題視するほど高い直帰率になっているケースは非常に稀です。

24.incでご支援しているBtoB企業さまのトップページ直帰率は、もちろん多少の前後はありますが、大体30%〜40%台です。そして、現状このぐらいの直帰率にも関わらず、KPIとして直帰率の改善(直帰率の低下)を望まれている場合、実現が難しい、あまり実現することに意味がない可能性があることをあらかじめご説明しています。

というのもBtoB企業の場合、企業名や製品名など指名検索での来訪が多いため、来訪者が求めている情報とサイト側が提供する情報とのギャップが非常に少なく、「期待はずれ/見当違い」が起きにくいためです。

Webサイトへ来訪する動機と目的が明確なので、直帰という行動は発生しにくくなります。もちろん「お知らせだけ見に来た」「トップページから遷移した採用サイトが別ドメインだった」といった直帰扱いとなる要因もゼロではありません。その点を踏まえると、やはり直帰率は30%〜40%台が目安ではと思われます。

このようにBtoB企業のWebサイトで直帰率が高い、という状態自体が起こりにくいという点からも、極端に高い直帰率でない場合はトップページの直帰率をKPIとせず、サイトの目的に応じて別のKPIを設計することをご提案しています(そして、そういうケースはたいてい別のKPIが必要だったケースが多いです)

また、トップページ直帰率が逆に低すぎる場合(数%程度)ですが、これは解析ツールなどの設定による影響が考えられるため、解析ツールの設定見直しをご提案しています。

入り口となるページで直帰率が高いケースは要注意

もちろん直帰率の改善が必要なケースもあります。特に注視するのが製品一覧ページといった「閲覧の入り口」となるページです。入り口ページの目的は「求めている情報が掲載されているページへストレスなく誘導すること」ですので、入り口ページで直帰が発生する可能性は低くなるため、前述のトップページより直帰率は低くなるケースもあります。

にも関わらず、入り口ページの直帰率が高くなっている場合は、提供している内容やページの構成などとサイト来訪者のニーズに何かしらのギャップが生じている可能性があります。

トップページ以外の入り口ページは企業名などの指名検索ではない一般的な検索キーワード(その製品の種別名など)での来訪も増えるため、それらのキーワードがページに掲載されているか?サイト来訪ユーザーは入り口ページでアナウンスされる情報を把握しやすくなっていいるか?などを検証することをお勧めします。

コンテンツによっては直帰率60%を超えるケースも多い

トップページでも入り口ページでもないページの場合、直帰率は大きく上昇するケースがあります。特に多いのが「コンテンツマーケティング」などの施策で制作・公開したコンテンツのページです。

24.incでもコンテンツマーケティングのご支援をおこなっているケースが多いのですが、コンテンツマーケティングと一口に言っても、その取り組みを通じて提供するコンテンツの役割は「基礎知識を理解してもらう」「問題・課題提起をおこなう」「製品/サービスの特徴を認識してもらう」など様々です。特にWebサイトで新しいユーザーとの接点を持ちたい場合、まずはサイトへ来訪してもらうためのコンテンツを制作するケースが多くなりますが、これらのコンテンツはどうしても直帰率が高くなりがちです。

理由は、これらのコンテンツの役割が「一般的な情報提供」を目的としているためです。この場合、サイトへ来訪してくれたユーザーは辞書をひくような感覚に近いため、知りたかった情報を知ることが出来たらそこで目的が完了するため、サイトを離れてしまい直帰になってしまうケースがどうしても多くなります。

もちろん、文章内で製品やサービスについての紹介や誘導ポイントを設置しますが、読んでくれたすべてのユーザーの意識が内容を読むことで変わって、製品/サービスページへ遷移するといった行動変容まで至ることは不可能です。

このような理由から、こういったコンテンツでは直帰率は60%、場合によっては80%を超えるケースが多いのですが、ここは無理に下げようとせず、いかに気持ちよく読んでもらえるかを意識したほうが望ましいでしょう。

「良い直帰」と「悪い直帰」

これまでの説明をまとめますと、直帰には「良い直帰」と「悪い直帰」が存在します。

  • 良い直帰⇒来訪者の目的が達成されてサイトを立ち去った直帰
  • 良い直帰例:一般情報を提供するコンテンツページ、サポート系コンテンツのページ
  • 悪い直帰⇒来訪者の目的が達成されずにサイトを立ち去る直帰
  • 悪い直帰例:一覧ページなどの入り口ページ

さいごに

直帰率はこのように、ページの役割に応じて数値の良し悪しの基準が変わるため、一口に「低ければ良い」ということでもありません。ページの役割と数値を結びつけることなく直帰率をKPIなどに設定してしまうと「直帰率を下げるためにはどうすれば良いか?」のような手段が目的化してしまう傾向もありますので、直帰率を正しく理解した上で設定することをお勧めします。

 

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