
はじめに
経営層から「AIを導入して業務効率化を進めよ」と指示を受けたものの、何から着手すべきか判断できない──。この記事をお読みの皆さまも、このような状況に心当たりがないでしょうか?
ただ、「AIを導入」と一口に言っても、さまざまなツールやソリューションが存在します。特に最近では「AIアシスタント」と「AIエージェント」という言葉を耳にする機会も多いと思います。「アシスタント」と「エージェント」…。なんとなく違いは分かるものの、その定義はAIとなると曖昧で、はたして自社が導入すべきはどちらなのか判断がつかないケースも少なくありません。
ケースバイケースではありますが、24 INC.ではAI導入は「AIアシスタント」からスタート。さらにその手前にPoCフェーズを設けることをご提案しています。この記事では両者の違いを整理しながら、なぜ最初の一歩として「AIアシスタント」導入が最適なのか、PoC(概念実証)のポイントや24 INC.のソリューションも一緒にご説明します。
AIアシスタントとAIエージェントの違い
まず「AIアシスタント」と「AIエージェント」の違いについて、簡単にまとめました。
AIアシスタント
人の指示に従って作業し、業務効率化をサポートします。例えば、下記のように業務の一部を人間と協力して進めるので、AIアシスタントは人にとって「秘書」「パートナー」のような存在です。
AIエージェント
アシスタントと違ってAIが自律的に人の指示なしで下記のような複数タスクを横断で実行し、与えられた目標を達成します。エージェントとアシスタントの違いを一言で言うとすれば「自律して動くか?」と言えます。
- プレゼン資料の作成と、作成に必要な市場調査、競合分析、構成設計など
- 顧客からの問い合わせへの自動対応
- 見積もり自動作成
なぜいきなりAIエージェント導入は難しいのか
違いを知ると、みずから考えて動くAIエージェントは魅力的に見えるのではないでしょうか?「これだったら最初からエージェントを導入すれば大きな効果が出るのでは?」と考える方もいるはずです。
ですが現実的にはエージェント導入は高いハードルが存在し、以下のような準備が求められます。
- 再現性のある明確な手順を定める
- 判断軸の明確化
- 精度を高めるための膨大なテスト
AIエージェントの場合は、これらの手順や判断軸を事前にすべて言語化し、AIに学習させる必要がありますがこの準備作業を自社のAI熟練度がまだ高くない状態でおこなうことは、あまり現実的ではありません。
さらにもう1つの問題として、いきなりAIエージェントのような自律的に動くAIを導入すると、現場の担当者から「仕事を奪われるのではないか」といった誤解を招き、感情的な反発を招く可能性もあります。これは組織がAIを導入・活用に向けた大きな阻害要因となり得ます。
このような理由から、24 INC.ではいきなりハードルの高いAIエージェントの導入は対象外として、まずAIアシスタントの導入から始めることをご提案しています。
AIアシスタントから始めるメリット
AIアシスタントから始めることをお勧めする理由は、エージェントと違ってアシスタントであれば、小さい機能から導入できるためです。この「小さく始める」という点はとてもメリットが多く、例えば以下のようなメリットがあります。
◎低コスト・低リスクで導入できる
莫大な初期投資をせず、自社の業務にAIが本当に役立つか検証できます。
◎現場の抵抗感を緩和できる
「仕事が奪われる」といった誤解を招かず「手伝ってくれる」存在としてAIを体験すれば従業員のAIに対する理解と信頼が深まります。
◎AI活用のノウハウを段階的に蓄積できる
小さく始めて効果検証することで
自社の業務のどの工程にAIが適切なのか、どんなAIアシスタントが必要なのかといった、実践に基づくノウハウが社内に蓄積されます。
さらに、できるだけ小さく効果的にAI導入を進めるために、24 INC.ではPoC(概念実証)フェーズを設けてAIアシスタントを業務内の一部タスクに部分的に組み込むことからスタートすることをご提案しています。
例えば、営業部門なら見積もり作成に必要な製品仕様の整理や確認、カスタマーサポートなら問い合わせ内容の分類など、まずは小規模なチームでのスタートをお勧めします。
AI導入は自社にとって業務効率化の「プロセス」と捉える
AIの技術進歩は非常に早く、日々新しい技術やノウハウが生まれています。この状況下においてAI導入は、一気にゴールを目指すもののではなく、状況を踏まえながら段階的に組織全体のAIリテラシーとスキルを高めていく計画が必要です。
PoCフェーズからスタートするメリットは社内でAI活用の熟練度を高めたり、AI活用について議論することで、「この業務はAIに任せられる」「この工程はアシスタントよりもエージェントが必要だ」といった具体的なアイデアや計画が生まれるようになることです。
そして、そのアイデアや計画などを活かすことでより高度なAI活用にステップアップできると考えています。
AIの導入・活用方法でお悩みのBtoB企業の方へ
24 INC.はBtoB企業さまを中心に生成AIの導入・運用をご支援しています。特定のAIツールやLLM(大規模言語モデル)に依存せず、お客さまの業務工程を分解し、効率化すべき課題の洗い出しからPoCフェーズの実行や評価検証、本格実装まで一気通貫にご支援します。
AI導入・運用でお困りでしたら、お気軽にご相談ください。お客さまの置かれている状況をお伺いしながら、最適な解決策をご提案させていただきます。