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現場が疲弊しないためにWebコンテンツ制作を始める前に決めること

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現場が疲弊しないためにWebコンテンツ制作を始める前に決めること

コンテンツ制作と厨房の調理は似ている

NETFLIXに「本番まで、あと7日」という非常に面白いドキュメンタリードラマがありまして、このなかのエピソードでニューヨークの「イレブン・マディソン・パーク」という素敵なミシュラン3つ星レストランがリニューアルオープンする7日前からの様子を撮影したエピソードがあるんですね。

本番まで、あと7日

この「イレブン・マディソン・パーク」…行ったことありませんが、席数数200席・従業員数200人という規模らしく、オープン前の厨房では調理スタッフが機械を点検したり、食材をチェックしたり、やっと料理が出来たと思ったら味見で「火が通ってない」とかシェフに怒られたりと大変な様子が描かれていますが、それでも何とか無事リニューアルオープンにこぎつけるんですね。

厨房というのは大変な現場でして、調理を担当する人やサポートする人、料理を出す前にチェックする人、実際にお客さんに料理を出す人がいて、そのメンバーがお客さんの注文に応じて限られた時間のなかで作業をチームでおこなうわけです。ドラマを見ると想像するだけで大変な作業がさらに生々しく描かれています。

さて、こんな大変な厨房のオペレーションですがレストランだけではなく、当然ながら企業さまも似たようなところがありますよね。そして複数の人間が協力してなにかを断続的に作り上げていくという点においては今回のテーマであるWebコンテンツ制作とすごく似ている部分があると思うのです。

色々なレストランの厨房は見たわけではないのですが、企業さまのWebコンテンツ制作の現場、というか内情をご相談ということでお伺いすると、意外に計画やオペレーションが場当たり的、下手をすればほとんど計画といったものが整備されてなかった。みたいな状況に出くわすことも少なくないのです。

コンテンツ制作が場当たり的になりがちな要因

こういう状態になる原因はなんだろう?と色々考えてみまして、意外に落とし穴と言いますか、特に企業さまで集客を目的にしたコンテンツ制作をしている、もしくはしたばかりの場合に多いのですが、「コンテンツ制作は断続的に続くもの」ということが言葉としては理解されているものの、具体的な作業までは実際に始まるまでイメージしきれていなかったのでは、と思うんですね。

先ほどのレストランの話だと、いざ料理を作るぞ!となった場合、えーっと魚ってどこだっけ?とかあの調味料は?で、これは誰が盛り付けるの?みたいな具体的な作業。これが割とフンワリしてるんですよね。

これは「コンテンツ制作」という言葉がどうも軽く受け止められがち、というか簡単に出来そうだ、サッと終わるものだ、という印象が強いのかもしれません。

別に重苦しい印象を与えたい訳ではないのですが、それでもコンテンツ制作は企画立てや役割の定義、効果指標などを立てて進める訳ですし、Webサイトへの集客やリード獲得という目的に向けてはすぐに効果が出るものではないので、地道で地味な作業がほぼずーっと続くんですよね。

コンテンツは断続的に続くもの

※企画立てなどのポイントは【「Webサイトのコンテンツ設計・制作。事前に決めておきたい「全体企画」】というコンテンツでまとめましたので興味あればご一読ください。

地道で地味な作業が続くだけに、断続的に業務を回していくための基本となるルール作りがすごく大事になってくるんです。毎回発生する作業が予測不可能だったり、スケジュールが機能しなかったとしたら、それだけで疲弊してしまいますよね。ですので継続できる環境をあらかじめ整えておく必要があるんですよね。

始めるまえに決めておくと便利なコンテンツ制作のルール

じゃあ何を決めておいたら良いんだ、ということになります。先にお伝えしておきますと「これを決めたら完璧」という内容って、ないんです。と言いますのも企業さまごとにそれぞれ固有の目的や課題がありますし、担当メンバーの数やリテラシーもさまざまです。

なので、「置かれた状況を考慮して組み立てていく」のですが、それでもコレは考えておいたほうが良いですよ、というものを挙げます。

・コンテンツ制作体制
まず体制です。特に大事なのが「誰が公開に責任を持つのか」という点だと思います。コンテンツ一つ一つは小さいので、担当者の確認だけで公開したものの後から上司や関与者からダメ出しが入って修正…みたいなケースも少なくありません。当然読み手としては「企業が発信したもの」として読みますので、会社として責任を持つべきなんですよね。

人員によって兼任もありますが「編集長(公開に責任に持つ方)」「編集者(個々の記事に責任を持つ方」は必要です。あとは24.incではB2Bの企業さまが圧倒的に多いこともあり、特に技術的なコンテンツを取り扱うケースが多いんですが、この場合はファクトチェックをしてもらう技術部門などの方にもチェックいただく体制を整えるケースが多いです。

コンテンツ制作チーム

・タスクフロー
これも大事です。公開までのタスクの流れを資料化して関与者間で共有しておくことでオペレーションに悩むことがなくなります。

タスクは「テーマ決め」「プロット(コンテンツの要約)」「執筆」「Webページ制作」「公開前確認」などがあり、タスクを順番に進めていくケースもあれば、並行しておこなうケースもあります。

また、各タスクの遂行者と目安期間も事前に決めておいたほうが良いです。特に期間は人によって認識がさまざまな場合が多いです。原稿執筆は大体1週間ぐらいだろう…と思っている方もいれば、2週間という方もいます。実際はテーマによりますが、大体2.5週間ぐらいは必要なんですよね。

「タスクの遂行者」「タスクの目安期間」「公開までのタスクの流れ」が決まれば1本が完成するまでの流れのイメージにズレが生じることは大幅に減ります。

タスクの流れイメージ

・制作ルール
これまでは制作にあたっての大きな枠組みでしたが、この枠組だけではWebコンテンツは不完全なんですよね。そのなかでも整備が大変なのが制作ルールです。コンテンツを公開するWebサイトによって、決め事は色々と出てくるのですが、共通して決めておきたい制作ルールとしては、

  • 表記ルール(製品名の記載方法や言葉の使いかた。「お客さま」「お客様」など)
  • アイキャッチ画像の仕様(企業ロゴを掲載するのか、サービスごとに色を変えるのか、など)
  • カテゴリ/タグ(コンテンツごとのカテゴリやタグは誰がどのように決めるのか)
  • Webページの基礎デザイン(基本のレイアウト、引用や箇条書きなどを表示する際のデザイン)
  • ページ内要素(meta description(メタディスクリプション)の設定は誰がするか、など)

特に「カテゴリ」や「ページ内要素」などはSEOという観点が重要になってくる要素ですし、コンテンツ制作が始まるとやっぱり文章とか画像が議論の中心になってしまうこともあるので、事前にルール化しておいたほうが進めやすいと思います。

制作ルールのイメージ

コンテンツ制作に向けた事前計画はなぜ大事なのか?

「全体計画」と「実務」で分けてご説明をしましたが、とにかく事前にしっかり計画やルールを固めておくことが大事だと、企業さまのコンテンツ制作や運営をサポートする立場から日々痛感します。

数十年ずっとやっている間柄ならともかく、短期間で形成されたチームで断続的な業務を一緒に目標に向かって切磋琢磨するわけですので、やっぱり認識のズレとかギャップって起こりがちなんですよね。

それは完全に避けられないものではあるんですが、出来るだけ避けたいですし、何かが仮に起こったとしても計画やルールが一定レベルで整備されていれば、そのズレやギャップはうまく取り込んで改善できます。

そして、そういう過程を経て計画やルールは磨きがかかりますし、結果としてコンテンツ制作に携わる関係者をチームにしていくとも思います。

Webサイト上で来訪者に対してコンテンツを提供することは地味で長い道のりではあるのですが、コツコツやっていると必ず何かしらの成果は出てきますし、企業さまの資産になりますので今回ご説明しました内容なども参考に取り組んでいただきたいです。

Webコンテンツの企画や制作・運営などでお困りのことがありましたら、お気軽に24.incまでご相談ください。

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